2025.04.07学校行事
2025年度入学式が7日、本校大講堂で開かれました。
新入生335名の名前が一人ひとり呼ばれ、入学が許可されました。
春の訪れとともに、花々が彩りを増し、生命が輝きを強めてきたこの佳き日に、令和七年度 東野高等学校 第四十一期生 入学式を挙行できますことは、大変ありがたく、本校教職員を代表して感 謝申し上げます。
はじめに、ご多忙の中、本日の式典にご臨席賜りました埼玉県議会議員 松本 義明様をはじめ、ご来賓の皆様に篤く御礼申し上げます。
また、ご来校いただきました保護者の皆様、本日はお子様のご入学、心よりお慶び申し上げます。
これからの学校生活の中で、お子様が多くのことを学び、大きく飛躍できるように、私たち教職員一同全力で支えていきたいと存じます。
保護者の皆様方におかれましては、本校の教育活動にご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
さて、東野高等学校第四十一期生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
三月に行なわれたガイダンスの際にもお伝えした通り、今年度は東野高等学校にとって、学園創立百周年、学校開校四十周年という特別な年です。
実は私自身、いつもとはまったく異なる緊張感を持ってこの四月を迎えました。
なぜ緊張感を持ったのか…それは、百周年という特別な年の重みを感じているからに他なりません。
そうした記念すべき年に、三百三十五名の無限の可能に満ちた皆さんをお迎えできたことは、これ以上ないほど嬉しいことです。
皆さんはこれから、伝統を持ちながらも新たな挑戦を恐れないこの東野高等学校で、間違いなく大きな成長を遂げることができるはずです。
その記念すべき第一歩となるこの入学式で、一緒に考えてもらいたいことがあります。
それは、「皆さんの人生において、高校時代とは何をするべき時期なのか」ということです。
これを考えるのにあたって、私は今回、「人生」を「巨大なジグソーパズル」にたとえてみたいと思います。
そのパズルはあまりにも巨大なので、どれだけ長い時間をかけても、つまり人間の一生をかけても完成させることはできません。
では、人生とは何か。
それは、この果てしないジグソーパズルに挑み続けることだと思います。
ある人はできるだけ多くの部分を埋めていくことを目的にするかも知れませんし、ある人は特定の部分をきちんと埋めることを目的とするかも知れません。
あまりの大きさに何から始めたらよいのか見当がついていない人もいるでしょう。
さらに、このパズルが普通と異なって難しいのは、予めピースが用意されているわけではないということです。
では、まず何をしなければならないのか。
それは、パズルを埋めるためのピースを集めることです。
たくさんのピースを集めた人ほど、ジグソーパズルの多くの部分を埋められる可能性があります。
皆さんは、すでにここまでの人生で、色々なピースを集めてきています。
もちろん、どれだけのピースを現段階で持っているかは人によって大きく異なることでしょう。
しかし、共通しているのは、どこかの部分を埋めようにも、まだまだピースの数が足りないということです。
そう考えると、高校時代に何をするべきなのか、何となくわかってきたのではないでしょうか。
それはずばり、パズルに挑戦するに足るだけのピースをできるだけ多く集めることです。
集める方法はそれぞれのピースごとに異なります。
勉強を重ねることで得られるピースもあります。
学校行事に一生懸命取り組むことで得られるピースもあります。
部活動や委員会活動に励むことで得られるピースもあります。
友達と何気なく話している中で得られるピースもあります。
頑張ったのに上手くいかなかった経験をすることで得られるピースもあります。
泣きたいほど辛いことをぐっとこらえることで得られるピースもあるかも知れません。
物思いにふけりながら校内を歩き回ることで得られるピースもあるかも知れません。
ひとつ言えるのは、色々なところを色々な方法で探した人ほど、たくさんのピースを得られるということです。
また、同じことをしても、やり方や熱の込め方によって見つかるピースの数は違います。
普通に勉強した人よりも、誰よりも努力して勉強をした人の方が見つかるピースは多いことでしょう。
何となく部活に参加していた人よりも、目標を持って懸命に部活に取り組んだ人の方が見つかるピースの数は多いでしょう。
もちろん、このピース探しは高校時代だけでは終わりません。
このパズルのたとえで考えるのならば、人間は何歳になってもピースを探し続けることになります。
大学でしか得られないピースもあれば、社会に出ることで初めて見つかるピースもあります。
この後、一生をかけて新たなピースを探し続けることになるでしょう。
ピースを探さなくなったとき、その人の成長は止まります。
まさに果てしない旅と言えます。
ただ、ここまで話を聞いていて思ったのではないでしょうか。
「高校時代にすれば良いのはピースを集めることだけなのだろうか?」と。
そう、実はもう一つ、高校時代にするべき大きなことがあります。
それは、この後、まずパズルのどこの部分を埋め始めるのかを決めることです。
先ほども言った通り、皆さんは生まれてからここまで、パズルのピースを集めてきました。
そして、この後、東野高等学校でも様々なピースを集めます。
しかし、ピースを集めているだけでは、いつまで経ってもパズルは埋まりません。
いよいよ、集めたピースを使ってパズルを埋め始める時期、それが高校を卒業する時だと思います。
高校生活を送る中で、ここまで集めてきたピースを改めて見つめ直し、どうしていくのか、大きな決断をしなければなりません。
その時に、多くのピースを集めている人は色々な可能性から自分が望む部分を埋め始めることができます。
その時に、わずかなピースしか集めていない人は、自ずから埋められる部分が限られます。
また、今は何の役に立つのかわからないピースでも、実はそれが将来大きな役割を果たすこともあります。
その意味でも、高校を卒業するまでにできるだけ多くのピースを集めることが大切になります。
ここまで、たとえ話が長くなってしまいましたが、この東野高等学校で何をするべきなのか、ヒントにはなったでしょうか。
高校は、これはどこの高校を選んだとしても、ゴールではなく学びの場、成長の場です。
そして、皆さんが入学を決めた東野高等学校は、他のどこよりも成長のチャンスが多くある場所だと私は確信しています。
ここから始まる三年間、可能な限り多くのことにチャレンジしてみてください。
「三種のWEEK」で得られるピース、「選べる土曜日」で得られるピース、「チーム担任制」で得られるピース…
東野高等学校でしか得られないピース、それが数えきれないほどたくさんあります。
「知識は第一の宝、品行は最高の美、忍耐は無上の力」という本校の「建学の精神」、これは人生のピースを探すうえで、大きな道標となる言葉です。
是非、他では味わえない三年間を、余すことなく満喫してもらいたいと思います。
今日、ここから始まる皆さんの学校生活が、素晴らしいものになることを信じ、入学式の式辞といたします。
令和7年4月7日
東野高等学校 校長 平井 廣治
新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
皆さんは今日から盈進学園・東野高等学校の大切な生徒の一員です。
私達、教職員・関係者一同、心より歓迎いたします。
また、公私ともご多端の中、本校新入生の激励にご臨席を賜りました、埼玉県議会議員・松本義明様はじめ本学PTA・後援会・同窓会の各会長・また、本学園理事の皆様には、まことに有難く、衷心より御礼申し上げます。有難うございます。
ところで、盈進学園・東野高等学校は1925年(大正14年)東京都下保谷村(現西東京市)に創立した盈進小学校がその起源になります。
その後、幼稚園を開園します。しかし、第二次世界大戦の終戦時の東京大空襲によって、校舎が被災し、東京の武蔵野市へ移転し、盈進中学、盈進高校と開校しましたが、校舎が手狭になったりしたため、1985年(昭和60年)にこの入間市に新校舎を建て、校名を東野高等学校と改め、今日(こんにち)にいたっています。
本年2025年の9月11日に盈進学園創立100周年・東野高等学校開校40周年の記念式典を所沢ミューズで挙行いたします。
保護者の皆様も是非ご参席ください。
さて、皆さんと出会えたことは、私にとっても大きな喜びです。
そこで皆さんに私の好きな本の一部を紹介したいと思います。
1939年にフランスで出版されたサン=テグジュペリという人の書いた「人間の土地」という8章からなるエッセイです。
作者が国際郵便機のパイロットとしてフランスから南アメリカへの夜間飛行路を開拓する為に活躍していた頃は、第一次世界大戦後のまだ空港に照明設備も整ってなく、星の明かりが頼りというような、常に生命の危険と隣り合わせで、夜間飛行に挑む、という時代でした。
そうしたパイロットとしての15年間の経験を基に極限状態での僚友(同じ職場の友達)との友情や人間らしい生き方とは、を問いかけた作品です。
この中で、作者(サン=テグジュペリ)の僚友達は、飛行中何度も砂漠に、山中に、また海中に遭難したり、行方不明になったりします。捜索の中止が勧告されるほど、絶望的な状況が繰り返されます。生還できた人、また連絡が取れなくなってしまった人、その度毎に僚友達は自分の家族のことのように心配し、嘆き悲しみ、また時には涙を流して喜び合います。作者の同僚の一人が飛行中、南米6か国にわたって連なっている高山、アンデス山脈に墜落し捜索は無理と判断されます。しかし水も食料もなく氷点下40度の山中を、一睡もせず、手も足も膝も血だらけになりながら、一週間後無事が確認されます。
また作者も飛行機の故障でリビア砂漠に不時着します。乾いた熱風が吹く中、飲み物もなく、全身が火傷をしているような痛みをこらえながら、3日間、一睡もせず、砂に足を取られながら、やっとの思いで生還します。
この時、僚友は歩くことを止めたら凍死してしまうであろう寒さの中を、作者は燃え尽きてしまうような暑さの中を、ともに「生きる」ということをあきらめません。それが人間としての責任とでも思っているかのように、そしてまた、二人とも「自分のことを生きている」・「絶対歩いているはず」と心配し、信じてくれている人がいたら、その人からの信頼を裏切ってはいけない。その人達のためにも生きて帰らなければ!と同じような思いでいたそうです。
作者は、アンデス山脈から帰還した僚友が、自分自身に対して、仕事である郵便物に対して、また自分の帰りを待っている仲間達への思いや、その行動から、彼の人間としての素晴らしさに感心すると同時に、このような言葉で表現します。『人間であるということは、とりもなおさず責任を持つことだ』と。その感動の中心が僚友の責任感にあることを述べます。
また作者は、人は職業・仕事を通して自分を磨き、高め、他人や社会とつながりを持つようになる。他人を知るということは自分の中身を豊富にするし、信頼できる人を得て、心のつながりができることは、何よりも価値があること、と言い、こんな表現でまとめています。
「真のぜいたくというものは、ただ一つしかない。それは、人間関係のぜいたくだ」と。
以上、「人間の土地」の作品中から二か所を抜きだして話しましたが、作者のサン=テグジュペリは、世界中で8千万冊も増刷されたという大ベストセラー「星の王子さま」の作者でもあります。
さて、作者の職業・仕事に相当するものは、皆さんの場合、学校の生徒といっても良いでしょう。これから始まる高校生活という3年間、「人間であるとは責任感を持つこと」「真のぜいたくとは良い友を作ること」といったことを頭の片隅において、充実した高校生活送っていただきたいと思い、話しました。
ご家族の皆様、ご挨拶が遅れまして恐縮でございます。会場が手狭なため、お子様方と一堂に会することができず、式の撮影、同時配信を入間ケーブルテレビ・FMチャッピ―に依頼し、大スクリーンでご覧頂いています。改めましておめでとうございます。
「掌中の珠」とも言うべきお子様方をお預かりいたしますことは、大変嬉しいことでありますが、同時にその責任の重さに緊張もいたしております。一学年の先生方もお子様方との出会いを楽しみにしながら、充実した高校生活を送ってもらうには、と準備に一生懸命でした。
また本日、お子様方を介して皆様とご縁ができましたことを喜ぶとともに、ご家庭と学校とが、互いにその役割に沿って機能し合うことが、お子様方のより大きな成長に資するものと改めて思った次第です。
どうぞ担任・学年主任にもご遠慮なくお話しかけください。またご相談頂きたいと思います。
最後になりましたが、新入生の皆さんにとって、高校生時代という貴重な3年間が、それぞれの花を咲かせる実り多いものとなることを祈念し、挨拶といたします。
令和7年4月7日
盈進学園 理事長 中川 進
埼玉県議会議員・松本義明様からもご祝辞を頂戴しました。
在校生代表・梅林さんからは次のような言葉がありました。
『今日は皆さんに伝えたいことが二つあります。
一つ目は、「挑戦を恐れないこと」です。これからの高校生活では、学業はもちろん、部活動や委員会活動、学校行事など、多くのことに挑戦する機会があります。時には失敗することもあるかもしれません。しかし、それを恐れて足を止めてしまうのではなく、一歩踏み出してみてください。挑戦を重ねることで、新しい自分を発見し、自身へとつなげることができるはずです。
二つ目は、「周りの人とのつながりを大切にすること」です。高校生活では、先生や先輩、そしてクラスメイトとのかかわりが、皆さんの成長に大きく影響を与えます。困ったときには助け合い、嬉しいことがあれば分かち合う。そんな日々の積み重ねが、充実した高校生活につながっていきます。感謝の気持ちを忘れず、仲間とともに歩んでいってください。』
これに対し、新入生代表2名からは、次のような言葉がありました。
新入生代表・西野さん
『高校入学をチャンスと捉え、新しいこと、今までできなかったことに挑戦しようと思います。
一つ目は部活動です。私は10年間サッカーを続けてきましたが、高校からは男子バレーボール部に入ろうと考えています。そこで新しい仲間や先輩方、先生方と共に挑戦することで、今までにない人間関係を紡ぎ出し、バレーボールの楽しさを実感したいと思います。そして、チームの要となれるよう、頑張るつもりです。
二つ目は仲間です。私の通っていた中学校では、小学校から九年間ずっと共に過ごした仲間がいて、互いの性格がわかる環境でした。しかし、東野高校には様々な地域から集まる数百人もの生徒や先生方がいて、その環境のもとで、ともに高校生活を過ごすことになります。その中から一生つながりを持つことになる人がきっと生まれるはずです。高校3年間でどのような人に出会えるのか今から楽しみです。
三つ目は夢です。私は小学生以来、尊敬できる多くの先生に出会ってきました。ここ東野高校でもそのような出会いがあるものと確信しています。そして、今度は私自身が教員となり、【生徒たちに夢を与え、自分の新たな可能性に気づかせたい……。】それが今の私の夢です。その実現のために大学を目指すわけですが、東野高校には英検WEEKや放課後講習など、様々な進学サポートがあります。先生方や仲間と切磋琢磨しながら夢を実現したいと考えています。』
新入生代表・北村さん
『私には東野高校で頑張りたいことがいくつかあります。
一つ目は部活動です。私はダンス部に入り、全国大会を目指します。そのためには日々の練習を怠らず、先輩たちを見習い、常に上を目指しながら努力していきたいと思います。中学校ではダンスの大会に出ていました。その経験を活かしてたくさんのことに挑戦していきたいと思います。
二つ目は勉強です。東野高校の建学の精神にある「知識は第一の宝」を意識して全力で取り組み、文武両道を目指します。私は今まで実用英語技能検定に何度か挑戦しましたが、スムーズに進めることができず、悔しい思いをしたことがあります。そこで入学後は英検WEEKを上手に利用して、英検2級を目指したいと考えています。
三つ目は体育祭や文化祭などの行事です。多くの仲間、先輩や先生方と触れ合う中で、東野高校でしか経験できない思い出をたくさん作っていきたいです。戸惑うことも多いと思いますが、仲間と励まし合いながら一歩ずつ進んでいきます。』
最後に平井校長より、新1年生の担任・所属教員の紹介がありました。