2023.05.19
学校がある埼玉県がタイトルについている本はやはり気になります。歴史教科書で知られる山川出版社からでもあり、資料にもなりそうなので購入しました。
「日本史のなかの埼玉県」(水口由紀子編、山川出版社)
パラパラとめくっていて目にとまったのが「ついに発見! 板碑の一大生産地 全国一位の二万七〇〇〇基」というコラムでした。
何年か前、東京・上野の「東京国立博物館(東博)」の「平成館1階 考古展示室」だったか、「板碑」の現物を見て、正直それまであまり関心がなかったのですが、思ったより大きく、確か限られた時代の限られた範囲で残っているといった説明だったように記憶していました。
コラムによると「板状の石で造られた卒塔婆(そとうば)、板碑は日本の中世に特有な石造物。埼玉県を含む武蔵国で造立された板碑は「武蔵型板碑」と呼ばれている。埼玉県でこれまで確認された板碑は二万七〇〇〇基を超え、全国一位です」と説明があります。比企郡小川町下里の割谷(わりや)地区がその一大生産地とみられ、研究が進んでいるそうです。
一方、東博の公式ホームページ、2007年に開かれた特別展「板碑―中世の供養塔―」の解説ですが、「板碑は、五輪塔(ごりんとう)・宝篋印塔(ほうきょういんとう)とともに中世に盛んに作られた供養塔で、中世の歴史や社会を研究する上で重要な資料の一つです。板碑は北海道から九州まで分布しますが、特に埼玉県を中心とした関東に多くみられます」とあります。
埼玉県が出てきますが、数が一位とは断定していません。国立博物館としての姿勢ですかね。
東博の解説によると、中世に全国的に作られた板碑は近世には廃れてしまう、その起源や消滅に関してはいろいろな意見があるようです。
小川町の「下里・青山板碑製作遺跡」については同町のホームページ、こちらを
板碑はどんなものか、東博の公式サイトの「画像検索」でたくさん見ることができます。こちら
この画像検索、絵画、彫刻、歴史史料、磁器など東博所蔵品のデジタルアーカイブ(デジタル画像)で、見ごたえ十分です。