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BLOG校長ブログ

2023.05.24

「リアルの逆襲」と「保守消費」

雑誌「日経トレンディ」最新号(6月号)を見ています。というのも同誌の編集長さんがラジオで話しているのをたまたま聴いて、今年度上半期のヒット商品として埼玉から「流行を発信」している施設が紹介されていたからです。

「トレンディ(トレンディー)」は辞書では「流行の先端を行くようすだ、最新流行の様子だ」という意味で、形容動詞と説明されていますが(「三省堂国語辞典」第7版)、「日経トレンディ」の表紙には「個人生活を刺激する流行情報誌」とあります。はやっているものをいち早く伝える雑誌と理解していいでしょう。

6月号の特集は今年度上半期のヒット商品とコロナ5類移行後のヒット商品予測。その上半期ヒット商品「施設」部門でとりあげられたのが「ふかや花園プレミアム・アウトレット」(埼玉県深谷市)。22年10月に開業、関越自動車・花園インターチェンジに近く、近隣都県からも人を集めているのだそう。そういえば、関越道を走っているとここの送迎バスをよく見かけます。本校のすぐ近くにも大きなアウトレットがあるので「へえーっ」という感じでした。

ちなみに「施設」部門大賞は「ジブリパーク」(愛知県)。22年11月に開業後、予約の取りにくい状況が数か月続いたそうです。余談ながら「今年度下半期ブレイク予測」にあげられたのが東京・練馬の「としまえん」跡地に開業予定の「ワーナーブラザーズスタジオツアー東京ーメイキング・オブ・ハリー・ポッター」。ジブリとハリポタ!

編集長さんが話していたヒット商品のキーワードが「リアルの逆襲」と「保守消費」でした

「リアルの逆襲」は何となくわかりますよね。コロナ禍で苦しんだ観光業界やイベント業界が新しい商品などを提供し始める、それが「逆襲」という表現なのでしょう。「保守消費」はちょっとわかりにくいかも。物価高が続いているので日常の必需品はいろいろ探して安く購入するものの、それだけではつまらないので贅沢も楽しむ、と説明されていました。コロナがなくても「そうだろうな」とは思いますが。

「リアル」(real)は反対語の「バーチャル」の方が主流になってしまい、「そうではない」として改めて使われるような感じでしょうか。そこで思い出すのが「リアじゅう(充)」、その意味は「インターネット上とは別に、実生活が充実していること/人」とあります。「2009年ごろからのことば」ともあるので、今時使ったら「トレンド」でない?
というのも、この「リア充」の説明、最初に出てくる「三省堂国語辞典」によります。2014年発行の第7版です。2019年発行の「三省堂現代新国語辞典」には載っていません(採用されていません)。終わった言葉なのかしら。

辞典辞書の違いについてはぜひ次の機会に。