2023.06.20
全国高等学校野球選手権埼玉大会、いわゆる夏の甲子園大会の埼玉県予選を兼ねている大会ですが20日、組み合わせ抽選会があり、本校も参加、試合日程が決まりました。初戦は7月9日、狭山工高と対戦します。
各都道府県の大会が始まるにあたり、プロ野球広島カープ監督、新井貴浩さんの球児たちへの応援メッセージ、高校野球賛歌が朝日新聞に掲載されていました(6月14日朝刊)。
自身の高校野球広島県大会を振り返った後、息子さんが野球する姿をみて「改めて思います。高校野球って最高だな、と。なぜなら終わりがあるから」。
その時間は全員に等しく、3年の夏にはたった1校を除いて、みんなどこかで負けます
まだ終わりたくないと一生懸命プレーする。その一人ひとりの姿が輝いて見えるのです。心を打たれるのです
などと語っています。
まったくその通りですよね。
これ、野球に限りません、高校で部活動する生徒みんなに共通のことでもありますよね。
最近の高校野球は県大会でもインターネットでの速報が充実し、試合結果どころか途中経過もリアルタイムに近い形で知ることができます。しかし、私が新聞社で仕事を始めたころは、高校野球の都道府県大会の結果を知るのは、新聞の地方版(おもに都道府県単位での地域ニュースを載せるページ)に頼ることが多く、そのため取材も手厚く、記事もたくさん載っていました。
新井監督が高校球児としてプレーしたのは1994年の大会だそうですが、それよりもずっと前、偶然にも広島県大会、記者として3年間、高校野球の取材をしました(甲子園にも行きました)。連日球場に「出勤」し、1日2~3試合、ゲームを追ってスコアをつけながら写真を撮り、もちろんパソコン、ワープロはないので原稿用紙に手書きの時代です。
記事はどうしても勝ったチーム、学校の話になりますよね、ところが、先輩記者が「全試合、負けたチームの主将の話(談話)を掲載しよう」と提案したのです。新井監督がいうように、大会は1チーム(優勝チーム)を除いてみんな負ける、負けたチームの主将の話を載せることで、結果的に出場した全チームをとりあげることができる、という、今になって思うと素晴らしいアイデアでした。その日の試合結果にとどまらず、高校での野球はどうたったかを尋ねることが多かったように記憶しています。
この新井監督の素敵な話を読んで、そんなことを懐かしく思い出しました。炎天下のもとで連日高校野球を取材していたころ、将来、球児たちを応援する立場になるとは夢にも思わなかったですよ、もちろん。