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BLOG校長ブログ

2023.07.31

サッカー代表チームの専属シェフ

サッカー女子ワールドカップ(W杯)1次リーグで日本代表なでしこジャパンはきょう31日、スペインと対戦です。この日の朝日新聞の「天声人語」で女子サッカーは男子に比べて待遇面などで差がある現状が指摘されています。海外遠征でも女子チームはこれまで飛行機はエコノミークラスでの移動がほとんどで、今回のW杯のオーストラリア・ニュージーランドへの移動は初めてチャーター機が使われたとのこと。これはすでにニュースで聞いていましたが、加えて「専属シェフもいると聞いてほっとする」と書かれていました。よかったです。

この専属シェフは西芳照さんで、お住まいの福島県の地元紙のネットニュースで確認しました。その西さんの著作があります。

『サムライブルーの料理人 サッカー日本代表専属シェフの戦い』(西芳照、白水社、2011年)

サブタイトルにもあるように、西さんは男子代表チームの専属シェフとして貢献してきました。

福島県にあるナショナルトレーニングセンター「Jヴィレッジ」で総料理長をしていた西さんに代表チームの専属シェフを、という声がかかり2004年のW杯ドイツ大会アジア予選からチームに同行、W杯もドイツ大会、南アフリカ大会にシェフとして帯同し、選手たちとともに戦ったわけです。この本は南アフリカ大会の後の時点での記録です。

選手が外国でも衛生面で安心して食事ができることは当然のことで、ほっとできるであろう和食の提供、また試合前、試合後のコンデションや疲労度などを配慮したメニューを考え、必要に応じて国内から食材を持ち込み、また現地で調達する。そんな苦労が語られています。本の後半は2010年のW杯南アフリカ大会の「日記」というスタイルで、毎日のメニューが紹介されています。

長い期間一緒だった岡田武史監督(当時)や、中村俊輔、長谷部誠、中澤佑二各選手らとのやりとりなども、興味深いですよ。

そんな西さんですが、地元紙の記事によると、昨年のW杯カタール大会で男子代表トップチームの専属シェフは引退、女子のなでしこジャパンへの同行は、昨年インドで開かれたW杯予選を兼ねたアジア・カップ以来2度目、ニュージーランドは食料品の持ち込み規制が厳しいため、現地での調達が増えそう、とのこと。

なでしこジャパンはすでに1次リーグ突破を決めており、西さんのメニューもその後押しになっていることでしょう。

サッカー代表チームの「裏方」の本をもう1冊。

『通訳日記 ザックジャパン1397日の記録』(矢野大輔、文藝春秋、2014年)

岡田武史監督の後、2010年~14年に男子代表チームの監督を務めたのがイタリア出身のアルベルト・ザッケローニさん。「ザック」の愛称で呼ばれました。その通訳を務めた方が自身の「日記」をもとにその「戦い」を振り返りました。ミーティングでの監督の話し、代表選手選考や個々の選手の評価など、チームの戦術にもかかわってくるので結構なまなましいところもあります。

いずれにしても、代表チームは監督、選手だけでなく多くのスタッフによって支えられていることがわかります。