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BLOG校長ブログ

2023.08.10

甲子園、野球の歌 その2

さだまさしさんの作品『甲子園』のことを知り、すぐにその曲が収録されているCDアルバム「風のおもかげ」を購入しました。この1曲を聴くだけならネットでダウンロードできるし、その方が安価と若い人には笑われそうです。

CDどころかレコードから音楽にふれてきた世代としては、楽曲がパッケージ、ひとつの「かたまり」として表現される形を大事にしたい、こだわりたいと考えています。「アルバム」というのですから、どういうテーマ、コンセプトで曲を作り、あるいは選び、どういう順番で並べるのかというのも、ミュージシャンの「表現」なわけです。まことに年寄りのこだわりではありますが。

おかげで、アルバム「風のおもかげ」で『甲子園』以外にも魅力的な曲に出会えました。これって、ネット通販で必要な書籍をピンポイントで購入するのもやむを得ないものの、書店内を歩いて棚をながめることで思いもよらぬ本で出合える、ということと同じですね。

さださんが野球を題材にした曲には『二軍選手』という曲があります。

1989年発表のソロ14枚目『夢の吹く頃』に収録されています。カズレーザーさんも『うらさだ』(小学館文庫、2023年)で触れていますが、こちらは知っていました。

売れない歌手(僕)とプロ野球二軍選手(彼)との友情、二人とも飛躍(歌のヒット、1軍定着)のチャンスは生かすことができなかったが、僕は小さな酒場で歌い続けている、彼はバッティングピッチャーとして投げ続けている、歌が好きだから、野球が好きだから、といった内容です。こちらもスリーフィンガーのギターが主伴奏、『甲子園』に雰囲気は似た曲です。

さださんが尊敬し影響を受けたサイモンとガーファンクルの名曲「ボクサー」(1969年)を意識して作られた曲だと思います。

まったくの余談ですが・・・

『甲子園』の歌の舞台になっているのは喫茶店ですが、店内のテレビで野球中継を流しているわけです。最近の喫茶店ではちょっと考えられないので、若い人たちにはピンとこないかもしれませんね。

スポーツバーなどにサポーターが集まって観戦・応援することになぞらえたらとも思いましたが、こちらは積極的に「観る」、みんなで「観て盛り上がる」ことが主目的。

ところが喫茶店のテレビで流れる野球放送は「なんとなく見ている」「時々目に入る」ですね。見ない人もいるわけです。アルバム発表の1983年は昭和58年、昭和の終わりが近づいていました。