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BLOG校長ブログ

2023.09.28

『高校野球監督論』を読んで ①

タイトルがそのものズバリ、確か新聞の書籍広告でみて、やはり気にはなり、「なぜ東京の学校が大阪の学校に勝てないのか」とか「東京から「大谷翔平」が生まれない理由」といった章にそそられ、手にとってみました。

監督論といっても技術論や練習方法等を書いているわけではありません。

『高校野球監督論』(前田三夫・小倉全由、双葉社、2023年)

筆者の前田さんは現在、帝京高校(東京)の名誉監督、帝京高校野球部を率いて甲子園春のセンバツに14回、夏の選手権に12回出場、夏2回、春1回優勝しています。

小倉さんは日大三高(東京)の監督を今年3月に勇退、これまでに関東一高(東京)を率いてセンバツ準優勝、母校の日大三高で2001年夏全国制覇、11年夏に2度目の優勝を果たしています。

このお二人が、高校、大学でのプレイヤーを経て高校野球の指導に関わるようになったいきさつや、それぞれが東京のライバル校としてしのぎをけずった歴史などを語り合います。

また、それぞれが育ててプロ野球などで活躍した選手たちの高校時代を振り返ってもいます。ただ、このごろはあまりプロ野球を見ないのでそのエピソードの面白さは伝えられそうもないので、印象に残ったところを紹介します。

「東(東京の東大会)でも、西でも、たとえシードで2回戦から出場したとしても、東京を勝ち抜いて甲子園に出場するには7連勝しなければならない。7試合すべて勝つためには、大会期間中はずっとチーム力を心身ともに高いレベルで維持しなくてはならないから、かなり難しいことなんです」(前田)

改めて言われると、やはり東京は学校も多く、予選は大激戦区、これがそもそもの原点と言えそうです。最初にあげた大阪との比較、大谷翔平選手の話につながっていきます。

前田さんは全国から選手の集まった大学での野球経験から、「関西の選手は粘り強く、ちょっとやそっとではひるまない、強気な選手が多かったのに比べ、関東の選手はそうしたものが欠けているように感じました」といい、帝京高の監督に就任してからは、関西の学校と試合をして、関東の学校にはない戦い方を学び、吸収するよう心掛けてきたそうです。

小倉さんも「関東の人間は勝負に対する執念深さに欠けているのに対して、関西は「関東の人間には負けてたまるか」という強い気持ちを持っている。これって関東の人間からするとわからない感覚かもしれませんね」と応えます。

野球とは直接関係はありませんが、東京で生まれ育ち、社会人になってから関西でも少し暮らし、仕事をした経験からすると、なんとも複雑な気持ちで読みました。(関西と書きましたが、細かくいうと京都です。京都=関西とくくると、京都の人はなかなか微妙なわけですが、一般的には京都も関西ですので)