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BLOG校長ブログ

2023.11.13

大橋純子さんの歌声ーー修学旅行を前に

歌手の大橋純子さんの訃報がテレビニュースでも伝えられ、12日朝刊各紙に掲載されていました。毎日新聞1面のコラム「余録」でも取り上げていました。どうしても硬いテーマとなりがちな余禄なので、珍しい。

毎日新聞のニュースサイトで こちから

大橋さんが北海道夕張市の出身ということは初めて知りました。「余録」によると
「沈む故郷を元気づけようと大橋さんは2007年3月、北海道出身の歌手有志と市内で開いた無料コンサートに参加した。売り上げを同市への寄付にあてようと、カバーアルバムも発売した」
とあります。

そうだったんだ、ということでそのカバーアルバム、実家のCDの山の中からうまく見つけ出すことができました。「Terra」というタイトル、ラテン語で大地、陸地、地球といった意味。通勤途中の車の中で聴きなおしました。

大橋さんのボーカルをいかそうということでしょう、アレンジはジャズ、ボサノバといった色合いながらも、アコスティックギター中心の抑えめの伴奏をバックに、大橋さんの伸びやかな声が素晴らしい。

先年、夕張市を訪れました。「余録」にもありますが、炭鉱の町夕張はすべての鉱山が閉山し、その後の「町おこし」としてリゾート開発に力を入れますがうまくいきません。戦後の産業構造の変化、過疎化、リゾート開発の破綻など、近年の社会が抱える諸問題が凝縮しているかのような地域です。そんな夕張の町を思い出しながら耳を傾けました。

カバーアルバムということで、他のアーチストの曲を歌っているわけです。「時代」「地上の星」は中島ゆみき、「季節の中で」「大空と大地の中で」は松山千春、「ワインレッドの心」「恋の予感」が玉置浩二と続き、あれあれ、なんか北海道出身の人ばかりだよと気づきました。あわててCDのパッケージを見直すと、大橋さんからのメッセージが書かれています。

「生まれ育った大地とそこに暮らす人々の悲しみの声が聞こえます。私が歌うことで、少しでもその声がやすらかで元気になりますように、そして笑顔が戻りますように、祈りを込めて。

そしてドリカムの「未来予想図Ⅱ」「LOVE LOVE LOVE」、ボーカルの吉田美和さんは調べると北海道池田町出身、もう間違いない。「プリズム」はYUKIさんの曲で函館市出身、そして「HOWEVER」、GLAYのヒット曲、そうメンバーは函館市出身です。

記事の「無料コンサート」云々では、そこまで読み取れなかった。おそるおそるこのCD発売時の紹介をウエブで検索したら、「大橋純子が同じ北海道出身のアーティストや歌手が残した名曲をカバー」とありました。脱力です、ファンなら知っててあたりまえの話なんですね。何回も聴いているCDですが、これまで気づかなかったことに気づいた、ということで良しとします。

ちなみにこの「Terra」、シリーズとして「Terra2」「Terra3」も出ているようです。

2年生は今週半ばから修学旅行です。カナダ、北海道、沖縄の3コースに分かれて出かけます。
北海道コースでは夕張や玉置さんの出身地旭川などは行程には入っていませんが、函館市内で過ごす時間があります。高校生世代にはこの大橋さんがとりあげた曲は同時代の曲でなく、またそれぞれの曲の歌詞をみても、ことさら北海道を意識したようなところはありません。

ただ、大橋さんだけでなく松山千春さんや玉置浩二さん、ドリカムの吉田美和さんの歌声には、松山さんが歌うところの「果てしない大空と広い大地」が感じられます。そう「Terra」、大地です。北海道の修学旅行で生徒たちが大地の声を感じ取れたら素敵だなと願っています。