2023.12.08
8日の東京新聞朝刊に「えっ」と目を引くニュースが載っていました。JR東海が、社員が通勤できる範囲を東海道新幹線(東京―新大阪)の全区間に拡大することを明らかにした、というのです。これによって東京―新大阪の通勤が可能になるそうです。仕組みまでは知りませんが、この区間での通勤にきちんと手当を出すということですね。
記事ではその理由として、望まない単身赴任をなくすこと、があげられています。例えば東京で家族で暮らしていて、人事異動で関西圏で仕事をすることになった、家族を残しての単身赴任でなく、新幹線で東京の家から通っていい、ということになるのかと。
東海道新幹線「のぞみ」の東京新大阪間の所要時間は約2時間30分、これは駅から駅の話で家と働く場所によって通勤時間はこれにプラスアルファがあるわけです。他社のことで余計なお世話ですが、どうでしょう、これだけではなかなかですよね。
一方で記事には、通勤時に新幹線の車内で働くことも認める、ともあります。副業許可、まさか、ちょっとわかりにくいので他の新聞をチェックしました。
日本経済新聞のウエブ版は
「JR東海は社員が新幹線や特急を使った通勤中に仕事をした場合も、勤務時間として扱う制度を導入する方針を固めた。東京―新大阪間の新幹線通勤も認める」
という書き方をしています。
うん、こちらの方がJR東海のねらいがはっきりしていると思いました。
つまり新幹線に乗っている時間を通勤時間とすると、通勤時間は決められた勤務時間には入らないので、働く人の拘束時間はさらに長くなるわけです。それでは、いくら通勤が認められても(通勤手当が支払われても)、なかなか利用はしにくいですよね。
そうではなくて、新幹線に乗っている時間も勤務時間とする、ということ。車内でもオンラインなどを活用することでオフィスと同じように仕事ができる状況になっている、という判断なのでしょう。実際、東海道新幹線車内はWi-Fi環境が整えられつつあります。やはり報道は複数チェックすることが大事です。
ちなみに記事では、現状で通勤が認められているのは東京―豊橋、新大阪―浜松などだそうです。前に書きましたが30年ほど前、新聞社で働いていた時にJR東海の方とよく会っていました。東海道新幹線の三島駅のすぐ近くに会社の寮があってそこから新幹線通勤していると聞いて驚いたことを覚えています。
ただ、そのころでも三島東京間は「こだま」で1時間くらい、寮(自宅)も駅そば、仕事場も駅そばなら、通勤時間は都内で働く多くの会社員とさほど変わらない、むしろ短いかもと、妙に納得してしまいました。もちろん通勤手当が出るという前提ですよ。
それが、東京でいえば豊橋まで伸びていたわけですね、そして新大阪まで、もちろん「のぞみ」もスピードアップしているという変化はあるにしても、です。
そういえば、ネットで検索した記事の中には、今回のJR東海の判断はリニア新幹線開業を見据えてみたいに書かれたものもあり、またまたびっくり。確かにリニアができれば東京名古屋間が40分くらい、名古屋も首都圏の通勤圏というのがうたい文句ではありますが、かなり気が早い。