2024.01.10
歌手の八代亜紀さんの訃報が10日の新聞各紙で伝えられていました(亡くなったのは昨年12月30日)。毎日新聞には「「舟唄」「雨の慕情」などで知られる演歌歌手」とあり、朝日新聞でも「「演歌の女王」と呼ばれた」とあるように、まず「演歌」と結びつけられるのはこれは当然です。音楽ジャンルでは好き嫌いなく聴いてきたつもりですが、私が所有している八代亜紀さんのアルバム(CD)は「八代亜紀と素敵な紳士の音楽会 LIVE IN QUEST」。
通販サイトの商品説明によると
「本作は1997年に原宿のクエストホールで行われたワンナイト・コンサートのライブ盤(’98年1月発売)の再発盤。日本の至宝ともいえる豪華なメンバーをバックに、クラブ・シンガー出身の八代亜紀がジャズのスタンダード・ナンバーを歌います」
そう、朝日新聞の記事には
「活躍の場は演歌にとどまらず、ジャズアルバムを出したり、ジャス歌手として米ニューヨークで公演を開いたりした」
とあります(毎日新聞ではジャスもレパートリーとしたことにはふれていませんでした)。そんなジャズアルバムの1枚です。
そういう私自身も八代亜紀さんの経歴をきちんと知っていたわけではなく、「(あの)演歌の八代亜紀がジャズ?」程度の興味でこのCDを購入したようにも記憶しています。「日本の至宝ともいえる豪華なメンバー」とあるように北村英治 (Clarinet)、世良譲(Piano)、ジョージ川口(Drums)、水橋孝(Bass)とクレジットされていて、たいしてジャズに詳しくない私でも知っている方々です。
演奏されている曲をみると、昨年11月の本校の芸術鑑賞会でも聴いた「SING SING SING」はじめスタンダート曲が揃い、そうそう「舟唄」も「雨の慕情」も披露しています。もちろんアレンジは大きく異なるわけですけどね。
八代さんとジャズとは全く異なるところで八代亜紀さんの歌の一番の思い出は、実は日本映画の一コマ。もう完全に昭和生まれ老人の繰り言です。
1981年に劇場公開された「駅 STATION」。高倉健演じる警察官が年末の帰省途中、大雪のため船が欠航した港で居酒屋に入ります。他にお客はなく、倍賞千恵子演じる店主がテレビを見ながら「この唄好きなの、わたし」とつぶやく。それが八代亜紀さんの「舟唄」。
ウエブのフリー百科事典「ウィキペディア」で「駅 STATION」を検索したら「概要」としてこうありました。
北海道・増毛町、雄冬岬、札幌市などを舞台に、様々な人間模様を描き出した名作である。劇中に八代亜紀の代表曲「舟唄」が印象的に使用されていることでも知られている。
みんな思うことは一緒ですね。